加圧トレーニング

加圧トレーニングの注意点や危険性について

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多くの芸能人が体型維持のためにおこなっていたことからブームになった加圧トレーニング。当時から、「血流制限は危険なのでは?」という声はありました。健康上のリスクを避けるためには、プロの指導のもとで正しくトレーニングすることが非常に大切です。

加圧トレーニングは手軽にダイエットや美容効果を得られるって本当?

加圧トレーニングは手軽にダイエットや美容効果を得られるって本当?

巷にはさまざまなダイエット法が溢れていますが、「楽に早く痩せられる」と評判のものはいつの時代も人気があります。加圧トレーニングも多くの芸能人が高く支持していたことがきっかけになって、ダイエットや筋トレ目的で大勢の人がやり始めました。

では、加圧トレーニングは、「楽に早く痩せられる」ダイエット法なのでしょうか?答えは半分YESで半分NOといったところでしょう。

加圧トレーニングのダイエットに向いている点

加圧トレーニングがほかの運動よりも手軽だと言える点は、1回にかかる時間が短く、負荷が軽いというところです。また、成長ホルモンの分泌を促したり、血流を促進したりする効果もあるため、多方面から痩せやすい体質作りにアプローチできます。

通常の筋トレよりも低負荷で筋肉を鍛えられる

健康的に痩せるためには、有酸素運動と無酸素運動を組み合わせることが推奨されています。

  • 有酸素運動…脂肪燃焼を目的とした運動。低負荷で長時間おこなう。
  • 無酸素運動…筋肉を鍛えることを目的とした運動。高負荷で短時間おこなう。

加圧トレーニングは無酸素運動に分類されますが、通常の筋トレよりも軽い負荷でできるという特徴があります。その理由は、加圧トレーニングが血流を制限しながらおこなう運動という点にあります。

筋肉は速筋と遅筋という2種類に分類されます。速筋は普段の生活の中で鍛えることは難しく、筋トレなど特別なトレーニングを積まなければ発達しません。一方、遅筋は日常的に使われ、発達しても大きくなることのない筋肉です。

腕や脚に専用のベルトを巻いて血流を制限すると、筋肉に十分な酸素が行き届きにくくなります。筋肉の酸素が足りなくなれば、軽いトレーニングであっても、脳は負荷の大きい運動をしていると勘違いします。

その結果、普段は遅筋しか使っていないような軽いトレーニングでも、速筋も同時に鍛えることができます。筋肉が発達していると代謝が良くなるので、脂肪燃焼効率がアップし、痩せやすい体質になれます。

美容と健康に欠かせないさまざまな効果が期待できる

加圧トレーニングには成長ホルモンの分泌を活性化したり、血行を促進したりする効果があります。

成長ホルモンには、

  • 脂肪燃焼を促す
  • 皮膚の乾燥を防ぐ
  • 骨や筋肉を丈夫にする

などの働きがあるので、ダイエットだけではなく、美容と健康のためには欠かすことができません。

また、血流を良くすると、老廃物が溜まりにくい体質になるため、肌荒れやむくみなど、体内の老廃物によるトラブルを予防できます。

加圧トレーニングをする際に大変なこと

正しくおこなえば高い筋トレ・ダイエット効果が得られる加圧トレーニングですが、敷居が高い側面もあります。加圧トレーニングは血流を制限しながら運動しますが、やみくもにベルトを巻けば良いわけではありません。

独学でおこなうのは危険と注意点

加圧トレーニングをおこなう際は、静脈に圧をかけるための専用のベルトを使います。その際、装着する人に適した圧力を測定しなければなりませんし、動脈ではなく静脈に圧がかかるように調整しなければなりません。

このように、加圧トレーニングには、自宅でできるストレッチや体操のような手軽さはありません。トレーニングそのものは簡単でも、自分の身体に圧をかけるときは細心の注意が必要になります。

インストラクターによって効果に差が出る

初めて加圧トレーニングをするときは、専門のインストラクターに指導を受けるのが安全です。しかし、加圧トレーニングは理論が難しく、インストラクターであっても指導力の差が大きいと言われています。

プロの指導を受ける際は、事前に確かな情報を集める必要があります。インストラクターの実績やネットの口コミなどを利用して、じっくり検討しましょう。

自分に合った商品を探すのが大変

安全のため、初心者であればプロの指導のもとで加圧トレーニングをする方がほとんどです。しかし、慣れてくると専用のベルトを購入して、自宅でも加圧トレーニングをする方もいます。その際は、きちんと自分に合ったベルトを購入してください。

どの商品が合っているのかがわからない初心者のうちは、通っているジムで販売しているものがおすすめです。最初に相性の良いベルトがわかってしまえば、あとは通販で買うこともできます。

また、着るだけで身体に圧をかけられる「加圧下着」を購入するときも、身体に合ったものを選んでください。さまざまな商品があるため、洋服感覚で選んでしまいがちですが、締め付けが強すぎると体調を崩してしまいます。

間違った加圧トレーニングによる危険性について

間違った加圧トレーニングによる危険性について

加圧トレーニングは、正しくおこなえば効率良くダイエット・美容・健康とさまざまな方面で恩恵が受けられます。しかし、自己判断で誤ったトレーニングをしてしまうと、反対に健康上のリスクが発生します。

トレーニング強度と時間を考慮しないと起こるリスク

低負荷・短時間でおこなえるという点は、加圧トレーニングの大きなメリットの1つです。しかし、そもそも血流を制限した状態では、高負荷・長時間のトレーニングが不可能という側面もあります。

ベルトを巻いたまま長時間過ごしてしまったり、圧力が強すぎたりすると、貧血を起こしてしまいます。少しでも違和感を感じたらすぐにベルトを外し、十分な休憩をとってください。

また、めまいや吐き気などの症状が出た場合は脚を高く上げて横になり、水分や糖分を補給しましょう。

重症化すると血栓ができて命にかかわるケースもある

無理な圧力をかけたトレーニングを続けることで起こり得るリスクとして、血栓があります。間違った圧力のかけ方で血流の制限と解放を頻繁におこなうと、血管内に老化の原因ともなる活性酸素が発生します。

増えすぎた活性酸素は、血管の内側にある細胞を傷付けてしまいます。また、活性酸素が悪玉コレステロールを酸化させてしまうことで、動脈が狭くなります。そのため、間違った加圧トレーニングを続けると血栓症や高血圧症などになるリスクが高まります。

血管に血の塊ができる血栓症になると、血流が悪化し、栄養がスムーズに行き渡らなくなります。脳や心臓などの重要な臓器が栄養不足に陥ると、脳梗塞や心筋梗塞など命にかかわる重篤な病気を引き起す可能性が高まります。

加圧トレーニングが向いている人とは?

加圧トレーニングが向いている人とは?

知識と経験が豊富なプロのもとでおこなえば、加圧トレーニングにはさまざまなメリットがあります。また、関節にほとんど負担をかけずに筋肉を鍛えることができるので、リハビリ目的でおこなっている人も多いようです。

一方で、トレーニングそのものは手軽でも、血流の調整はかなり慎重におこなわなければなりません。素人では、正しく血圧を測定して体質に合った圧力をかけけることは非常に大変です。そういった側面から考えると、加圧トレーニングは手軽な運動とは言えません。

加圧トレーニングで痩せようと思うのなら、かなり本格的な準備が必要です。専門の機関を探し、場合によっては医師の診察を受けて、加圧トレーニングをしても問題がないか調べなければならないこともあります。

以上のことを踏まえて、加圧トレーニングが向いているのは

  • プロの指導を受けられる環境にある
  • 自分の健康管理を徹底して考えられる

という条件を兼ね備えている方です。

反対に、減量や筋肥大だけを重要視して、自分の身体全体のことを顧みない方には、加圧トレーニングは向いていません。理想のボディラインは、健康であってこそのものということを忘れずにトレーニングしていきましょう。

短時間・低負荷でおこなえることから、加圧トレーニングを手軽にできるダイエットと感じている方も多いようです。しかし、運動そのものは簡単でも、血流を制限するという特性上、注意が必要です。常に健康のことを考えながらトレーニングしていきましょう。

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